結婚祝いの選び方:ご祝儀・品物・メッセージの実務ガイド

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結婚祝いは「ふたりの新生活を軽やかにスタートさせる」ための贈り物。見映えよりも負担にならない・使い勝手がよい・気持ちがまっすぐ伝わることが最優先です。ここではご祝儀の基本、品物の選び方、避けたいNG、のし・表書き、渡すタイミング、文例、そして迷った時の最終手段まで、実務目線でまとめます。

まず決める3要素:金額・渡し方・タイミング

  • 金額の目安:友人・同僚は1〜3万円、親族は3〜10万円が相場。地域・関係性で上下しますが、今後も続けやすいラインを。
  • 渡し方:参列=ご祝儀+小さな品/欠席・招待なし=品物またはギフト券+カードを事前送付が基本。
  • タイミング:結婚式や入籍の1〜2か月前〜1週間前が理想。直前・当日は避け、過ぎた場合は1か月以内に「お祝いの言葉+お詫び」を添えて。

のし・表書き・ご祝儀袋の基本

  • のし:紅白10本結び切り(固くほどけない=結婚向け)が一般的。表書きは「寿」または「御結婚御祝」。
  • 名入れ:贈り主の姓名を中央下に。連名は右から年長・目上の順、3名以上は代表者名+「外一同」。
  • ご祝儀袋:金額に見合う水引・厚みのものを選ぶ。新札を入れ、向きに注意(人物が表)し、中袋の金額表記も忘れずに。

“外さない”品物の条件(使い切れる・置き場所を取らない)

  • 消えもの:上質な焼き菓子/コーヒー・紅茶・ノンカフェインティーの詰め合わせ/はちみつ・ジャム・オイル。常温・個包装・賞味期限2〜3週間以上を目安。
  • 実用品:タオル(薄手〜中厚のペア/名入れは要確認)、キッチンリネン、耐熱保存容器、ワイングラス2脚など。重複しにくい定番を選ぶ。
  • 体験・金券:食事券・カタログギフト・デジタルギフト。遠距離・多忙・同棲歴長めのカップルには最有力

避けたいNGと代替案

  • 刃物(縁を“断つ”連想)・櫛(“苦・死”の語呂):基本は避ける → キッチンツールなら保存容器やリネン類に置換。
  • 強い香り・大型インテリア:好みや置き場所が難しい → 無香〜微香・小型・実用へ。
  • 中古・開封済み:気持ちは嬉しくても結婚祝いには不向き → 新品・未開封で。
  • 宗教・アレルギー配慮不足:お酒/動物性素材/ナッツ等は事前確認 → ノンアル/植物性素材/アレルゲン表記明確な品に。
  • 片方だけの名入れ:表記の齟齬が起きやすい → イニシャルのみ or 名入れ無し+カードでお祝いに。

セットの作り方(2点で完結させる)

  • 飲み物+焼き菓子:朝・仕事・来客のいずれにも使える“汎用セット”。
  • タオル+保存容器:新生活の即戦力。色は白〜生成か、相手の好みの淡色で。
  • 体験券+小菓子:日付が合わなくても気持ちが伝わる組合せ。

配送・手渡しの段取り(負担を増やさない)

  • 事前連絡:在宅時間・受け取り方法(宅配BOX可否)を軽く確認。冷蔵品は避けるのが無難。
  • 包装:のしは内のし(配送向け)、手渡しは外のしも可。割れ物は「天地無用・ワレモノ」明記。
  • 同封物:メッセージカード/取扱説明書・保証書の場所をわかりやすく。

メッセージ文例(コピペOK/30秒で書ける)

  • 基本形:「ご結婚おめでとうございます。新しい暮らしのお役に立てば嬉しいです。おふたりの毎日が穏やかで実り多いものになりますように。」
  • 参列できないとき:「当日は伺えず申し訳ありません。ささやかですが心ばかりの品をお送りしました。お時間のある時に受け取ってください。」
  • 体験券を添えるとき:「落ち着いたらぜひふたりで。予定が合えば私もお祝いさせてね。」

“相手別”の視点(ケースバイケース)

  • 遠距離・多忙:カタログギフト/デジタルギフト+短いカード。保管場所ゼロ・タイミング自由。
  • 同棲歴が長い:生活品は足りている可能性 → 体験・ご当地食品・高品質な消えものへ。
  • 宗教・文化が異なる相手:食材・酒・動物素材は慎重に。中立的な体験・文具・タオルで。

よくあるQ&A

  • 式後に知った場合は? → 気づいた時点でOK。1か月以内にカードを添えて発送。
  • 連名にするべき? → 同僚・同期は連名のほうが負担が軽い。代表者名+外一同で整える。
  • 金額のキリは?4・9は避ける地域も。3万円・2万円+品、などバランスで。

チェックリスト(迷ったらここだけ)

  • のし=紅白結び切り/表書き「寿」「御結婚御祝」
  • 新札・中袋の金額・住所氏名の記入OK?
  • 品は常温・個包装・日持ち/または体験・ギフト券
  • サイズ・好み・宗教に配慮した?(酒・香り・動物素材)
  • 到着タイミング・受け取り方法を事前に確認した?
  • カードは短く具体的・返信不要の気遣いを添えた?

結婚祝いは、豪華さより持続可能な心遣い。相手の暮らしに負担をかけない設計(常温・個包装・体験)と、少し早めの段取り、短いメッセージ。これだけで、気持ちはきちんと届きます。