スマホから一眼へ:はじめてのカメラ選びと“失敗しない設定”

趣味

スマホ以上の写真を安定して残したい——その最短ルートは、機材をシンプルに選び、設定を“固定レシピ”化することです。ここではミラーレス一眼の選び方、露出の基礎、初日の設定テンプレ、被写体別の即戦力プリセット、よくある失敗の直し方までをひとまとめにします。

カメラとレンズの選び方(迷ったらこれ)

  • ボディ:手ブレ補正(IBIS)内蔵・USB充電可・瞳AF対応のAPS-Cミラーレスが価格と機能のバランス◎。
  • レンズ:最初の1本は標準ズーム(約24–70mm相当)。人物も風景もこれでOK。ボケを楽しみたい人は単焦点35mm or 50mm(F1.8前後)を追加。
  • 必携アクセ:予備バッテリー1個・高速SDカード2枚・ブロアー(ホコリ飛ばし)。
  • 中古の注意:シャッター回数・センサー汚れ・ファーム更新可否を確認。レンズはカビ・クモリ・AF動作をチェック。

露出の基礎:絞り・シャッター・ISOの関係

  • 絞り(F値)…小さいほど明るくボケる(F2.8→背景とろり)。
  • シャッター速度…速いほどブレない(1/500→動体を止める)。
  • ISO…高いほど暗所に強いがノイズ増(ISO3200は妥協ライン)。

初日の設定テンプレ(まずは固定)

  • 撮影モード:A(絞り優先)。F2.8〜F4で人物、F5.6〜8で風景。
  • ISO:オート上限3200、低速限界1/125秒(人物は1/250)。
  • AF:瞳AFオン、AF-C(動体)/AF-S(静物)。エリアはゾーンワイド+追従。
  • 測光:多分割(評価)でOK。逆光は露出補正+0.3〜+1.0
  • WB:オート。混色照明で不自然なら「電球」「日陰」を試す。
  • 記録:JPEG(HEIF)+RAW。連写はHではなくMにして枚数を抑える。

被写体別・即戦力プリセット(呼び出して使う)

  • 屋内の人物/子ども:Aモード、F2.8、最低1/250、ISO上限6400、瞳AF、露出補正+0.3。
  • 走る子ども/スポーツ:Sモード、1/1000秒、ISOオート上限6400、AF-C+追従、連写M。
  • 夜景スナップ:Aモード、F2.0〜2.8、最低1/60、ISO上限6400、WBオート、露出補正−0.3で黒を締める。
  • 風景:Aモード、F8、ISO100、AF-S・中央一点、WB晴天、ピクチャーはナチュラル。

ブレとピントを外さない“体の使い方”

  • シャッター速度の目安:1/(焦点距離×1.5)。50mmなら1/80秒以上。
  • 構え:肘を体側に当てる/息を止めずに“吐き終わり”で切る。
  • ズームより一歩:迷ったら一歩前へ。背景のゴチャつきが消える。

光と構図:今日から効く3ルール

  • 斜め前からの光(サイド光)で立体感。窓の“反対側”から撮ると顔が締まる。
  • 背景を簡素化:主役の後ろ1〜2mを空ける/無地の壁・影を探す。
  • 三分割+余白:主役の目を交点に、進行方向に空間を残す。

RAW現像は最低限でOK(仕上げの順序)

  • ①ホワイトバランス → ②露出(±0.5EV以内) → ③コントラスト/ハイライト/シャドウ → ④トリミング。
  • ノイズ低減は控えめに。まずは露出を適正に撮ることが最良のノイズ対策。

よくある失敗とすぐ直す方法

  • 顔が暗い(逆光):露出補正+0.7/窓に対して斜め45度に立ち位置を変える。
  • ピントが背景:AFエリアをゾーンに、瞳AFが効かない時は中央一点→リコンポーズ。
  • ザラつく:最低シャッターを1段ゆるめ(1/125→1/60)てISOを下げる or 明るい場所へ移動。
  • 色が安っぽい:WBを「日陰/曇天」で温かく。暗部を少し持ち上げて中間調を厚く。

1か月の練習ロードマップ

  • Week1:Aモード固定で屋内・屋外・逆光を各50枚。露出補正の効きを体感。
  • Week2:単焦点で背景整理の練習。被写体と背景の距離を“1m増やす”だけで試す。
  • Week3:Sモードで動体。1/500・1/1000・1/2000の違いを比べ、ベストを記録。
  • Week4:RAW現像の4工程だけ実施。トリミングで構図を整え、10枚をセレクト。

最後に:設定は“減らす”ほど上達が早い

カメラは機能が多いほど迷いも増えます。まずはAモード+固定レシピで“失敗を減らす”。その上で被写体別プリセットを呼び出すだけ。光の向きと背景を意識できるようになったら、あなたの写真は一段跳ねます。